こんにちは。ペット業界専門のウェブデザイナー、みのりです。
ホームページ制作について調べていると、
「集客できるホームページを作ります」
「集客に強いホームページ」
といった言葉をよく見かけます。
せっかくお金をかけてホームページを作るなら、きちんと反応のあるホームページにしたいですよね。
でも、そもそも「集客」って、どういうことでしょうか?
簡単に言えば、「お客様を増やすこと」とまとめられると思います。
もちろん、お店や事業を続けていくためには、お客様に来てもらうことは必要です。
ただ私は、ペット業界においては、それだけでひとくくりにしてしまうのは若干の違和感があります。
トリミングサロンやペットホテルなら、飼い主さんにとって大切な家族を預かる仕事。
ドッグトレーナーや犬の幼稚園なら、その子との暮らしに関わる仕事。
ペットショップやブリーダーなら、新しい家族との出会いに関わる仕事です。
ペットは、飼い主さんにとって大切な家族であり、命です。
だから私は、「たくさんのお客様を集める」ということよりも、
そのお店やサービスを必要としている飼い主さんに、ちゃんと見つけてもらうこと。
そこから考えたいと思っています。
……と言いつつ、この記事では分かりやすくするために、このあとも「集客」という言葉を使います。ちょっとだけお付き合いください。
私が考える「集客できるホームページ」の前提
では、「集客できるホームページ」って、どんなホームページなのでしょうか。
私がまず前提に置いているのは、
「必要な人に、必要な情報がちゃんと届くホームページになっていること」
です。
例えば、シニア犬のトリミングをお願いできる場所を探している飼い主さんがいたとします。
せっかくそのサロンがシニア犬を受け入れていても、そのことがホームページに書かれていなければ分かりません。
書いてあったとしても、どこに書いてあるのか分からなければ、見つけてもらえないかもしれません。
反対に、
「シニア犬にも対応しています」
「こんな場合は一度ご相談ください」
「施術ではこんなことに気をつけています」
といった情報がきちんと整理されていて、
「うちの子でもお願いできそう」
と思ってもらえれば、問い合わせや予約につながる可能性が生まれます。
つまり、
必要としている人に見つけてもらう
↓
知りたい情報がきちんと伝わる
↓
「ここならお願いできそう」と思ってもらう
↓
問い合わせ・予約・来店につながる
私は、この流れを作ることがホームページで集客を考える基本だと思っています。
業種によって、ホームページの役割は違う
ただ、「必要な情報」も「ホームページにしてほしい仕事」も、お店によって違います。
例えば、ペットショップやブリーダーの場合。
子犬を探している方にとって、「今どんな子がいるのか」はとても大切な情報です。
写真だけでなく、犬種や性別、生年月日、性格など、詳しい情報をホームページで確認できれば、それをきっかけにお店や犬舎を知ってもらうことができます。
必ずしも、「ホームページで見た、この子を迎えたい!」と決めて来店・見学する方ばかりではありません。
「このお店に子犬がいるんだ」
「この犬種を扱っているブリーダーさんがいるんだ」
と知ったことがきっかけで、実際に足を運んでもらえることもあります。
一方、トリミングサロンの場合は少し違います。
「シャンプー・カットができます」「料金は○○円です」という情報だけでは、ほかのサロンとの違いが分かりにくく、料金だけで比較されてしまうこともあります。
例えば、
- シニアのわんちゃんにも対応している
- デザインカットが得意
- 皮膚が弱い子向けのメニューがある
- わんちゃんが待ち時間をのんびり過ごせる
- 持病や身体に不安がある子も相談できる
など、そのサロンだからお願いできることが詳しく書かれていれば、
「うちの子をお願いできるところを探していた」
という飼い主さんに見つけてもらうきっかけになります。
ドッグトレーナーなら、
「どんな悩みを相談できるのか」
「どんな考え方でトレーニングをしているのか」。
犬の幼稚園なら、
「どんな一日を過ごすのか」
「どんなことをしてもらえるのか」
「うちの子でも通えるのか」。
それぞれ、お客様が知りたいことは違います。
同じ業種であっても、「新規のお客様に知ってもらいたい」「特定のサービスについてもっと知ってもらいたい」「既存のお客様が情報を確認しやすくしたい」など、目的によって必要なホームページも変わります。
だから私は、まず、
「このホームページには、どんな役割を持ってもらうのか」
を考えることが大切だと思っています。
実際に、ホームページからお客様が増えた例もあります
私が制作したペットショップのLP(1ページで構成されたWebページ)で、役割を与えたことで集客につながっているものがあります。
このお店では、お客様の希望を聞き、そのご家族に合うわんちゃんを探して紹介するというシステムがあります。
制作前にお話を伺ったとき、お店の方がおっしゃっていたのが、
「相談にさえ来てきていただければ…」
ということでした。
実際にお客様と直接お話しできれば、ほとんどの方にいいご縁をお繋ぎできているそうです。
そこでLPでは、
「何軒かお店を見たけれど、なかなかいい子に出会えない」
「希望するわんちゃんがなかなか見つからない」
という方にこのシステムを知ってもらい、
「一度、相談してみようかな」
と思ってもらうことをゴールにしました。
そのために、どんな情報があれば相談してみようと思えるのか、どんな順番で伝えれば不安なく問い合わせや来店につながるのかを考えながら、ページの内容や導線を組み立てました。
公開後、実際に「ほかのお店ではなかなかいい子に出会えなかった」という方からの相談が増えています。
つまりこのケースでは、
「このお店のホームページにはどこまで頑張ってもらえばいいんだろう?」
と考えた結果、「相談に来てもらうところまで」ということになります。
ホームページの役割は、お店によって違います。
商品を購入してもらうところまで必要な場合もあれば、予約してもらうこと、問い合わせてもらうこと、まずサービスを知ってもらうことがゴールになる場合もあります。
そのお店が一番力を発揮できるところまで、必要な人をホームページでつなぐ。
私は、これも「集客できるホームページ」を考えるうえで大切なことだと思っています。
SNSで発信しているなら、ホームページはいらない?
InstagramなどのSNSでも、お店の特徴やサービスについて発信することはできます。
むしろ、日々のお店の様子や実際に利用しているわんちゃん、施術事例などを知ってもらうには、SNSはとても便利です。
例えば、シニア犬のトリミングを行った様子をInstagramに投稿すれば、
「高齢のわんちゃんにも対応しているんだ」
と知ってもらうことができます。
Instagramなら、ハイライトを使って料金やサービスなどの情報をまとめておくこともできます。
一方、ホームページには、
「料金・メニュー」
「シニア犬のトリミングについて」
「初めて利用する方へ」
「予約方法」
など、知りたい情報をそれぞれ整理して置いておくことができます。
ホームページを見る側も、「料金を知りたいなら料金ページ」「予約したいなら予約についてのページ」というように、どこに欲しい情報がありそうか、ある程度予測しながら探すことができます。
欲しい情報にストレスなくたどり着けるようにできることは、ホームページの大きなメリットであり、問い合わせにつなげるための大切なポイントです。
また、ホームページはレイアウトや色、写真、文字などを比較的自由に設計できます。
お店の雰囲気や大切にしていることなど、SNSとはまた違った形で「そのお店らしさ」を伝えられるのもホームページの良いところです。
SNSでお店を知ってもらい、詳しい情報はホームページで確認してもらう。
反対に、検索などからホームページを知った方に、SNSで普段のお店の様子を見てもらう。
どちらか一つを選ぶのではなく、それぞれの得意なことを組み合わせることができます。
欲しい情報が「ある」だけでも十分ではありません
では、お客様が知りたい情報をたくさんホームページに載せれば、それで集客につながるのでしょうか。
ここでもう一つ大切なのが、情報整理と導線設計です。
少し難しそうな言葉ですが、考え方はそれほど難しくありません。
POINT|情報整理って?
ホームページに載せたい情報を整理して、
「何を載せるのか」
「どのページに載せるのか」
「どんな順番で伝えるのか」
を考えることです。
例えばトリミングサロンなら、料金、メニュー、対応できるわんちゃん、施術について、初めて利用する方への案内、予約方法など。
お店側が伝えたいことをそのまま並べるのではなく、ホームページを見る方が知りたいことを、分かりやすく整理していきます。
POINT|導線設計って?
ホームページを見ている方が、知りたい情報を迷わず見つけて、次の行動へ進めるようにすることです。
例えば、
「シニア犬でもお願いできる?」
↓
シニア犬への対応について読む
↓
料金・メニューを確認する
↓
予約方法を見る
↓
予約・問い合わせをする
というように、必要なページへ自然に進めるよう、ページ同士をつないだり、適切な場所にボタンを配置したりします。
せっかく「ここにお願いしたい」と思っても、
「料金はどこ?」
「予約ってどうすればいいの?」
「うちの子でもお願いできるのかな?」
と知りたい情報が見つからなければ、そのまま問い合わせをやめてしまうこともあります。
ホームページ制作というと「きれいなデザインを作ること」が目立ちますが、実際にはこうした情報の整理や導線を考えることも大切な仕事です。
自分でホームページを作ることも、もちろんできます。
ただ、自分のお店のことだからこそ、初めて見る方がどこで迷うのか、何を知りたいのかに気付くのが難しいこともあります。
プロにホームページ制作を依頼する意味は、デザインをきれいにしてもらうことだけではないと私は思っています。
公開したあとも、必要なら一緒に考えます
ホームページは、必ずしも何ヶ月も運用しなければ効果が出ないものではありません。
私がこれまで制作したホームページでは、ありがたいことに、公開後の比較的早い段階から問い合わせや来店などの反応につながったケースがあります。
先ほどご紹介したLPも、そのひとつです。
だからこそ私は、公開してから考えるのではなく、制作する段階で、
「どんなお客様に来てほしいのか」
「その方は何を知りたいのか」
「お店のどこを知ってほしいのか」
「ホームページにはどこまで頑張ってもらうのか」
を考えておくことを大切にしています。
そのうえでホームページを公開し、まずは実際の反応を見ていただきます。
期待していた反応が得られていれば、そのまま使っていただいて大丈夫です。
一方で、
「もう少しこのサービスを知ってもらいたい」
「思っていたところから問い合わせにつながっていない」
「もっとホームページを活用していきたい」
など、改善したいことが出てきた場合には、アクセス状況なども確認しながら、どこを変えていくとよいのか一緒に考えることもできます。
公開後の運用や改善が、必ず必要ということではありません。
まずは目的に合わせてきちんと考えて作る。
そして、必要になったときには、実際の反応を見ながら改善していく。
そんな形でホームページをサポートしています。
必要な人に届くことが、集客につながる
ホームページは、検索から初めてお店を知ってもらう入口になることもあります。
SNSや口コミ、紹介などですでにお店を知っている方が、
「どんなお店なんだろう?」
「うちの子をお願いできるかな?」
と詳しく調べる場所になることもあります。
そして必要な情報を確認して、
「ここならお願いできそう」
「一度相談してみよう」
「見学に行ってみよう」
と、問い合わせや来店を決める後押しになることもあります。
だから、集客を考えるときに「どうやったらたくさんの人にホームページを見てもらえるだろう?」だけを考えるのではなく、
「どんな人に来てほしいのか?」
から考えてみる。
シニア犬を安心してお願いできるサロンを探している方なのか。
デザインカットを楽しみたい方なのか。
愛犬との暮らしについて相談できるトレーナーを探している方なのか。
来てほしい人が分かれば、その方が知りたいことも見えてきます。
その情報をきちんとホームページに用意して、必要なときに迷わず見つけられるようにする。
そして、
必要としている人に見つけてもらう。
知りたいことをきちんと伝える。
「ここならお願いしたい」と思ってもらう。
その結果として、利用してくださる方が増えていく。
これがホームぺージで目指していく「集客」なのかなと思っています。
「集客できるホームページ」という言葉だけを見ると、とても頼もしく感じます。
でも大切なのは、その先にいるのが「お客様」という数字ではなく、大切な家族のために、自分たちに合うお店やサービスを探している飼い主さんだということ。
そんな方に必要な情報がちゃんと届き、お店との良い出会いにつながる。
必要な人に届くことで、利用してくださる方が増えていく。
私は、そんなホームページを作っていきたいと思っています。



